飲食コンサルタントの役割
こちらのページでは、飲食店コンサルタントの業務内容を詳しくご紹介していきます。
こんな方に特に読んでもらいたい
飲食店のコンサルタントへの相談を検討されている飲食店経営者の方や飲食店コンサルタントになることを見据えて仕事をされている方向けの記事です。
飲食店コンサルタントの最も重要な役割
それは既存の飲食店、または新規開業を予定している飲食店を繁盛店へと導くことです。
まず経営者の方との打ち合わせにて以下の3点を確認いたします。
①経営者の想いやこだわり
経営者や出店者の方々が持つ『こだわり』や『これだけは譲れない点』などを確認します
②飲食店の歴史や過去の経験
次に飲食店の立て直しや新規開業時に、想いや夢を具現化するための十分な技術やスキルを持たれているのかを確認します。
③今後2年間の計画や目標
最後に、ご自身や飲食店の2年後の『あるべき姿』をイメージし実現に向けた動機付けを行います。
但し、現実とあまりにもかけ離れた計画の場合は、その懸念事項を真摯にお伝えします。場合によってはあきらめていただく、もしくは3年目以降の計画に盛り込んでもらうこともあります。
ここでのポイントは、お客様である経営者や出店者の方との強固な信頼関係を短期間のうちに構築することにあります。
つまり苦言や提言を受け入れてもらうためには、コンサルタントとして十分な知識や経験を持ち合わせていなければなりません。そして、業績の回復や開業の成功を確実なものにするものであるべきだと考えます。
飲食店コンサル業務を9つに分類
業務⒈ 改善計画・出店計画
既存の飲食店の場合、まずは飲食店コンサルタントのノウハウをベースとした分析手法をもとに現状分析を実施し、改善計画やリニューアル計画を策定します。
飲食店の新規開業の場合、出店者さまの希望に沿い、コンサルタントが出店計画を立てていきます。具体的には、コンサルタントによるターゲティング、コンセプト立案、メニューやPOP企画、立地診断、内外装企画、工事スケジュール管理、採用・教育計画、そして開業が大まかな流れとなります。
業務⒉ 業態コンセプト立案
飲食店コンサルタントは、業態を問わず数多くの繁盛店に精通しています。その中で各コンサルタントは、独自に見出した繁盛店を作るためのノウハウや法則を蓄積しています。
そのため、その立地や競合他店舗に合わせて繁盛店となるための要素(商品、サービス、雰囲気など)を具現化していく能力を有しています。もちろん飲食店のコンサルタントは、そのための分析手法や独自のノウハウを身につけるために日々研鑽を積んでいます。それらをそれぞれの飲食店の経営者の要望に合う形で提案をしていく準備を常にしています。
業務⒊ 飲食店メニュー・POPの企画
飲食店コンサルタントが業態のコンセプトに合わせたメニューを企画します。業態コンセプトが確定した段階で、メニュー企画へと移ります。但し、地域一番店を目指すため、出店エリア次第では店舗のメニュー内容が変わることもあります。
仮にバル業態が多い場所へ同様の業態を出店することになった場合、近隣の競合店をしっかりと分析した上で、【ウリ商品】、【主力カテゴリー】、【商品の品揃え】、【中心価格帯】などをコンサルタントが企画していきます。
併せて、繁盛店のメニュー企画や店外、店内を含めたトータルでのPOP企画をしていきます。
業務⒋ 飲食店マニュアルの整備や作成
日々の業務に追われ、準備をせずにここまできたという経営者の方に代わり、コンサルタントが作成の代行を行うこともあります。
例えば、経営理念作成サポート、作業指示レシピ、ハウスルール、接客マニュアル、衛生マニュアルなどの作成を行います。
業務⒌ 飲食店の内外装の企画
繁盛飲食店の外装企画や料理をより美味しく感じられるような内装の企画、そしてオペレーションを意識した働きやすい効率の良い動線を踏まえたレイアウトを提案するための知識を有しています。
例えば、飲食店の厨房の洗い場一つとっても、働き易い動線が存在します。日本人の約89%が右利きです。そのため、右手で洗い、左手でラックへ送るような動線を確保した方がより働き易くなるなど、実務の面でもコンサルタントが提案をしていきます。
業務⒍ 飲食店の従業員の教育研修
飲食店のサービスクオリティーの向上を目指し、現状のサービスの質を客観的に分析をした上で、業態コンセプトに適したサービス研修をコンサルタントが提案と必要に応じて実践していきます。
例えば、居酒屋に適した発声や接客サービス、レストランに適した発声や接客サービスなどの教育研修を実施します。
業務⒎ 飲食店の販売促進計画の提案・最適化
飲食店において実施されているネット広告を各媒体ごとにデータ分析をし、数値を見える化します。その中から効果の高いものと低いものを仕分けし、販促費を効率化していくこともコンサルタントの役割です。併せて、EDM、DMまたアンケートなどを活用し店内販促によるリピーターの確保を積極的に実施する提案もコンサルタントの大切な役割の一つです。
業務⒏ 飲食店に必要な取引先や施工業者の紹介
飲食店の仕入先や取引業者は、実に多岐に渡ります。
食材やドリンクだけでも、肉屋、魚屋、八百屋、酒屋などからの仕入れが発生し、さらに食材以外で店舗内にて扱うものは、厨房機器、皿、資材備品などもあります。併せて、飲食店の新規開業の場合は、内装業者、大工、看板屋、ガス工事、水道工事、電気工事など非常に多くの業者の方々を選定する必要があります。その他でもデータ収集が困難な飲食店のために、データ分析が可能な安価なPOSを紹介したり、優良なネット広告業者なども推薦したりします。
飲食店コンサルタントはそれらを紹介できるだけのネットワークを持ち合わせています。
業務⒐ データ分析による飲食店の健康診断
飲食店のコンサルタントは、メニューの出数とメニュー版を比較し、売るべきものが売れているのかなどを細かく分析していきます。併せて、損益計算書(P&L)を確認し、飲食店で発生しているエラーなどをその情報から抽出し、改善目標を立て収益改善が出来るだけの飲食店ノウハウを持ち合わせています。
まとめ
飲食店コンサルタントの仕事内容について、簡単にご紹介をしてきましたが、未経験者よりも経験者の方がよりこの仕事には向いているのは事実です。
しかしながら、飲食店コンサルタントの仕事は、飲食経験者+αの知識や能力が要求されます。なぜなら、コンサルタントとして飲食経験者である経営者や店長や料理長などを説得納得させるだけの飲食店ノウハウを持ち合わせていなければならないからです。
さらには当然のことながら、実際に売上を上げ、業績を回復してはじめて、コンサルタントの役目を果たしたことになります。 そのため、真の飲食店のコンサルタントは、原理原則や経験値のみに頼ることなく、常に学びや新たな発見のための研究を怠ることなく、コンサルタントとしての役割を全うできるだけの知識と能力を磨き続ける必要があると考えております。